柘榴石

柘榴石は、化学成分により次のような端成分に分けることができ、天然にはこれらの固溶体として存在する。 鉄礬柘榴石（アルマンディン：almandine） Fe3Al2（SiO4）3。変成岩、火成岩、ペグマタイトなどに産する。 苦礬柘榴石（パイロープ：pyrope） Mg3Al2（SiO4）3。 満礬柘榴石（スペッサルティン：spessartine） Mn3Al2（SiO4）3。マンガン鉱床に産する。 灰鉄柘榴石（アンドラダイト：andradite） Ca3Fe2（SiO4）3。スカルンに産する。ショーロマイト（schorlomite、チタン柘榴石）やデマントイド（demantoid）もこれに属する。 灰礬柘榴石（グロッシュラー：grossular） Ca3Al2（SiO4）3。スカルンに産する。ツァボライトがこれに属する。 灰クロム柘榴石（ウヴァロヴァイト：uvarovite） Ca3Cr2（SiO4）3。クロム鉱床に産する。 knorringite Mg3Cr2（SiO4）3。 majorite Mg3（Fe,Al,Si）2（SiO4）3。 calderite （Mn,Ca）3（Fe,Al）2（SiO4）3。 桃井柘榴石 （Mn,Ca）3（V,Al）2（SiO4）3。桃井斉にちなむ。 灰バナジン柘榴石（goldmanite） Ca3V2（SiO4）3。 kimzeyite Ca3（Zr,Ti）2（Si,Al,Fe）3O12。 森本柘榴石（morimotoite） Ca3TiFeSi3O12。森本信男にちなむ。 ヒブシュ柘榴石（hibschite） Ca3Al2（SiO4）1.5-3（OH）6-0。 加藤柘榴石（katoite） Ca3Al2（SiO4）3-x（OH）4x。加藤昭にちなむ。

ガーネット種はあらゆる色で見られますが、赤みがかった色が最も一般的です。青いガーネットは最も希少で、1990年代に初めて報告されました。ガーネット種の光透過性は、宝石品質の透明な標本から工業用途の不透明な品種まで様々です。この鉱物の光沢は、ガラス光沢（ガラスのような）または樹脂光沢（琥珀のような）に分類されます。

ガーネットはネソケイ酸塩鉱物であり、一般的な化学式はX3Y2(SiO4)3です。Xサイトは通常、二価陽イオン（Ca、Mg、Fe、Mn）が占有し、Yサイトは三価陽イオン（Al、Fe、Cr）が八面体/四面体の構造内で占有し、[SiO4]が四面体の位置を占めます。ガーネットは最も頻繁に十二面体の結晶習性で見られますが、台面十二面体や正二十面体の習性でも一般的に見られます。彼らは三軸が同じ長さで互いに直角な立方系で結晶化しますが、実際には立方体になることはありません。なぜなら、等軸晶系にもかかわらず、{100}および{111}面の族が枯渇しているからです。ガーネットには劈開面がないため、応力下で破壊すると、鋭く不規則な（貝殻状の）破片が形成されます。

特に透明度の高い赤色、橙色、黄色、緑色のものを宝石として装飾用に使用する。丸く磨き上げられたものはカーバンクルと呼ばれる。 硬度の高さから「金剛砂」という粉末状の研磨剤として利用されることが多い。粒子の細かい柘榴石は、比較的安価にかつ大量に採掘できることから、紙やすりなどに利用される。 パイロープガーネットの成分とスペサルティンガーネットの成分の中間に位置するものにカラーチェンジガーネットというのも存在する。アレキサンドライトに非常に似た変色効果を発揮する大変興味深いルースとして知られている。産地としては、スリランカ・アフリカ・マダガスカルなどが代表的だが、スリランカ産のものは既に鉱山が閉鎖されているため、現在は産出されていない。マダガスカルからは良質なカラーチェンジガーネットが産出することが多いが、スリランカ産の方が珍しいため、コレクターの間では高い値で取引されている。

柘榴石は最も古くから知られている宝石の一つです。1月の誕生石であり、山羊座および水瓶座の星座に関連しています。ユダヤの伝説によれば、ノアは柘榴石を箱舟に持ち込み、光源として使用しました。この同じ理由で、旅人は柘榴石を持ち歩いて旅の途中で道を示してもらいました。この石は、戦闘中に能力を向上させると信じられていたため、アングロサクソン人やバイキングによって護符としてよく使用されていました。

ガーネットという言葉は、14世紀の中英語の単語「gernet」（暗赤色）に由来します。それは古フランス語の「grenate」からラテン語の「granatus」、および「granum」（粒、種子）から借用されています。これは、メラグラナトゥムまたはポムグラナトゥム（ザクロ、Punica granatum）への言及の可能性があります。その果実には豊富で鮮やかな赤い種子の覆い（仮種皮）が含まれており、一部のガーネット結晶に形、大きさ、色が似ています。ヘソナイトガーネットは、インド文学では『ゴメダ』とも呼ばれ、ヴェーダ占星術のナヴァラトナを構成する9つの宝石の一つです。

創造性と愛に繋がると考えられている柘榴石は、護符として使用される保護石です。多くの中でその最高の美徳はグラウンディングとエネルギーの増強ですが、この石はエネルギーのバランスを取り、勇気をもたらすことでも知られています。その驚くべきヒーリング特性により、体のすべてのチャクラに影響を与えます。