自然カドミウム

カドミウムは柔らかく、延性があり、展性がある銀白色の二価金属です。それは多くの点で亜鉛と類似していますが、複雑な化合物を形成します。他の金属のようにカドミウムは腐食に強く、他の金属の保護板として使用されます。カドミウムはバルク金属としては水に溶けず、可燃性はありませんが、粉末状では燃焼して有毒ガスを放出することがあります。

カドミウムは地殻中の約0.1 ppmを占めています。これは66 ppmを占める亜鉛よりもはるかに稀です。カドミウムを含む鉱石の重要な鉱床は知られていません。唯一重要なカドミウム鉱物であるグリーノカイト（CdS）は、ほぼ常に閃亜鉛鉱（ZnS）に関連しています。この関連は、亜鉛とカドミウムの地球化学的な類似性によるもので、地質学的な過程でこれらを分離することはほぼ不可能です。したがって、カドミウムは主に亜鉛の硫化鉱石の採掘、製錬、および精錬の副産物として生産され、さらに鉛や銅からも少量が生産されます。消費量の約10％は、副資源から主に鉄および鋼スクラップのリサイクルによって生成されます。米国での生産は1907年に始まりましたが、広範な使用は第一次世界大戦後に始まりました。シベリアのヴィルユイ川流域では金属カドミウムが見つかります。リン酸肥料のために採掘された岩石には、さまざまな量のカドミウムが含まれており、肥料中のカドミウム濃度が最大300 mg/kgに達し、農耕土壌中のカドミウム含有量が高くなる原因となっています。石炭には相当量のカドミウムが含まれており、その大部分は排ガス中に含まれます。土壌中のカドミウムは、米などの農作物によって吸収されることがあります。中国農業省は2002年に、サンプリングした米の28％に過剰な鉛が含まれており、10％には法定限度を超えるカドミウムが含まれていると測定しました。柳やポプラのような植物は、土壌から鉛とカドミウムを取り除く能力があることがわかっています。大気中の典型的な背景濃度は5 ng/m以下であり、土壌中では2 mg/kg以下、淡水中では1 μg/L以下、海水中では50 ng/L以下です。10 μg/L以上のカドミウム濃度は、総溶質濃度およびpHが低い水中では安定し、従来の水処理プロセスでは除去が困難な場合があります。

ウッド合金の成分材料、顔料（カドミウムイエロー・レッド・オレンジ等）、二次電池（ニッカド電池）の電極などさまざまな工業製品に利用されているほか、中性子を吸収する性質から、原子炉の制御用材料にも使われている。 カドミウムはめっき材料として自動車関連業界で古くから用いられてきた。めっきが均質で、亜鉛よりはやや小さいイオン化傾向を持ち、犠牲電極として良好な性質を持つからである。また潤滑油とのなじみがよく、焼付きを防ぐ性質がある。やや黄色味がかっためっきは1960年代までのアメリカ車のエンジンルームでよく見られるものである。 後述するが、近年は毒性が懸念されて利用が忌避される傾向が強い。

名前は、ギリシャ語で菱亜鉛鉱を意味するカドメイア (Kadmeia) が由来。